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執筆者の写真樋口 理一

紫陽花

この時期、道端でよく紫陽花を見かけますね。 雨の日が多くて気分が沈みがちな時も、美しい紫陽花は気持ちをぱっと晴れやかにしてくれますよね。

紫陽花は小さな花が集まっているような形をしていますよね。 しかし、花びらのような部分は実は花ではなくて、”ガク”になります。 ガクの中心にある小さなつぼみのような部分が花です。 意外と知らなかった人も多いのではないでしょうか。

そして、色が変化するという大きな特徴があります。 薄紅色やピンク色、青色や白色などがあり、いろいろな色で楽しませてくれます。 紫陽花の色が変わるのは、土の酸度と花に含まれる色素が関わっているのです。 紫陽花には「アントシアニン」と呼ばれる色素が含まれていて、この色素が紫陽花を発色させています。 アルミニウムが多く含まれた酸性の土壌では、アルミニウムとアントシアニン色素が結合して青色になります。 土中のアルミニウムが少ないアルカリ性の土壌では、薄紅色やピンク色に近い色に変化します。 白色の紫陽花はもともとアントシアニンを持っていないため、土の影響では色が変化しません。 もともと個別の品種が持つ特性によって、土壌の酸度で色が変化しない品種の紫陽花もあります。 色の変化にはこんな仕組みがあったんですね!ちなみに日本は酸性の土壌が多く、青色の紫陽花が多いようです。

次に紫陽花の俳句をご紹介します。

「紫陽花や 帷子時(かたびらとき)の 薄浅黄(うすあさぎ)」 松尾芭蕉の一句です。 紫陽花が咲き、今年も帷子を着る季節がやってきた。ちょうど紫陽花も帷子も同じ薄浅黄色をしている。という意味だそうです。 帷子とは夏に着る衣のことで、江戸時代の人々も花や衣服から季節の移り変わりを感じていたのでしょう。

「紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘」 正岡子規の一句です。 紫陽花が美しく咲いていることよ。昨日は本当だといったことが今日は嘘になってしまうように日々色を変えながら。という意味だそうです。 紫陽花の花の色のように、人の心の移ろいやすさを詠んだ句ですね。

みなさんの好きな紫陽花の色は何色ですか? 今度、紫陽花を見かけたら色にも注目してみましょう。 梅雨ならではの風情を感じてみてください。

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